「TOUCH THE MUSEUMβ―映像と音でめぐる常設展―」期間限定プレオープン

heniha2009-02-16

Twitterで小耳に挟んで、国立西洋美術館にて開催された「TOUCH THE MUSEUMβ―映像と音でめぐる常設展―」へ、プレオープン最終日に行ってきました。このイベントは美術館で貸し出されるオーディオ(音声)ガイドのiPod touch版で、作品を眺めながら、その背景や作者についての解説をiPod touchを使って音声や映像で学びぶことができるものです。今回は来年度の実用化にむけて実験的に期間限定で開催されたそうです。

流れ

入り口で渡されたiPod touchは黒のクリアケースに入れられ、ホームボタンは押せないようにカバーがしてありました。ストラップ付きで「必ず首からさげるように」、また電源は「絶対触らないでください」とのこと。
常設展は「ロダン作品エリア」「ルネサンス時代」「近代絵画」と3つのエリアに分かれており、それぞれのエリアに入ると、wifiかなにかで察知するのか、そのエリアの作品説明を閲覧できるようになります。iPod touchの画面には作品の写真がカバーフローのように並んでおり指でめくって見たい作品を選びます。
最初は音声ガイドのみで、解説を聞きながら作品を眺め、そのあと「画面をご覧ください」という指示があり作品背景や作者についての解説を動画付きでみる流れとなります。

気づいたこと、考えたこと

「作品の前に立つとその解説が表示される」わけではない

自分のいる位置が反映されるのは大きく分けられた3つのエリアの区切りだけです。作品ごとに反応してくれないのは作品と作品の間隔が狭すぎるのかも知れません。また小さい絵は絵の近くで眺め、大きな絵や、人だかりのできる絵、それからモネ「睡蓮」のように離れて眺めたい絵もあり、対象範囲を設定するのは難しそうです。でもちょっと残念。

「電池残量20%」「電池残量10%」

作品と解説見るだけでも2時間、映像と音、スリープなし。受付では充電ケーブル挿してあったもののフル充電する時間まではないようで、途中で電池残量の警告が出ました。ゆったりと絵を見てるときに「電池残量20%」「電池残量10%」と急かされるのはちょっと残念ですね。館長のお話(映像付き)とか見てたら充電切れ起こしてたかも……。

内容には満足!

情報量が素晴らしい。影響を受けた作品や同じ主題の別作者の作品など、見ていて参考になるし面白い。情報量は多いが、テキストだけではないので疲れないし理解しやすい。iPod touchの映像もきれいで美術館での用途にはぴったりだと思った。また、手元で「作者、描かれた年、素材」が見れるのはとても助かる。混雑時などには作品横にある表示に近寄れず見えなかったりするので…。
とにかく、絵の解説だけでも十分満足できるコンテンツだと思う。

このサービスにいくらまでだったら支払えるか

終わった後にされた質問。制作費・設備費などを考えずにということだったので、感覚的に言うと美術館でよくあるオーディオ(音声)ガイドが500円〜700円であることを踏まえて700円〜1000円ならあり。1200円だったらサービス内容とは別次元でためらう。
自前のiPhone/iPod touchを持って行くと割安になるというのはいいな…(しかし充電的なことを考えると丸ごと借りたいってのもあるw)

その他
  • 作品カバーフローがとても重く操作の支障になった
  • 自分のペースで見たい、絵から目を離したくないという人には合わないシステム
  • 作品が右手の壁と左手の壁両方に掛けられてる場所ではデフォルトの閲覧順に違和感(左右を交互に歩くようになってる)
  • インタラクティブな操作が可能だからといって画面の中に没頭するようなクイズが盛り込まれたりせず、絵の空間にいたままでいられるのは良かった

コンテンツを追加するとしたら

アンケートに設問があったものの、そのときには思いつかなかったのだけど、Big CanvasiPhone/iPod touchアプリ「Oil Canvas」を使ったら面白いんじゃないだろうか。展示作品を模写することはまず無理だけど、このアプリなら自分の指で名画を描くことができる。もしくは単純に塗り絵アプリ。実物の作品を見ながら、全く違う色に手軽に塗り替えることができるアプリがあったら楽しそう。カードにプリントアウトして貼付ける場所を作ってもいいし、持ち帰ってもいい。他人の作ったものも持ち帰れたらもっと面白い気がするな。

関連情報

「TOUCH THE MUSEUMβ―映像と音でめぐる常設展―」期間限定プレオープンのお知らせ 国立西洋美術館

TOUCH THE MUSEUMβは、iPod touchを使った映像と音による国立西洋美術館の常設展ガイドです。来年度の本格的な運用に向けて、TOUCH THE MUSEUMβを2009年2月10日(火)〜2月15日(日)までの期間限定でプレオープンします。

チミンモラスイ? : "えのすい" meets iPod touch!

iPod touch」を利用して館内見学−新江ノ島水族館」2008.4.24 @湘南経済新聞

地元(気持ち的に)でこんなものが!湘南経済新聞、チェックし始める前だったんだな…

TOUCH THE MUSEUM β 映像と音でめぐる常設展 | webAGORA

情報デザインコース非常勤講師の山岸清之進先生、情報芸術コース非常勤講師の矢坂健司先生、情報デザイン学科卒業生の比嘉さん、飯沢さんが携わった国立西洋美術館の常設展ガイド、「TOUCH THE MUSEUM」が、来年度の本格的な運用に向けて2009年2月10日(火)〜2月15日(日)までの期間限定でプレオープンされます。

※追記 2008.02.17 00:51
デザイン物産展ニッポン

会場では、音声と映像を使った展示作品のガイダンスを、iPodでお楽しみいただけます。
会期中、会場にiPod touchiPhoneをお持ちいただくと、ガイダンスとしてお使いいただけます。
展示作品をより深く理解できる新たな試みです。

こちらは、自前iPhoneiPod使用可能。
っていうかダメだ、情報捕捉できてなさすぎる…><。


※追記 2008.02.17 06:33
TOUCH THE MUSEUM - d.lalalila.✍

おしらせ。
ギリギリでの告知ですが、2/10-15までの間に国立西洋美術館@上野で最近かかりきりになっていたプロジェクトが公開されます。
iPod touchを端末に使って絵画に関する情報や、ちょっといい話ムービーをインタラクティブに見れたりします。